ノミの投資家奮闘記

ノミの投資家奮闘記

サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

6月までの実績まとめ

こんにちは!ノミの投資家です。

 

日本列島は大体梅雨入りしてグズついた天気が続いていますね。相場もグズついた感じで上がるでも下がるでもない感じで梅雨前線のように推移していますね。さて、6月も終わったということで今月までの実績をまとめを報告したいと思います。

目次

1.ポートフォリオ

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まずは総資産ですが今月は何といってもABBVがAGN買収報道を受けて暴落しましたので1200ドル分を即購入したところ時価総額ベースでABBVが3位まで上がってきました!PMとMOは相変わらず停滞しており、MOに至っては一時期は含み益20%を超えていたのですがもはや損益ギリギリとなるところまで株価が落ちてきています。このまま順調に下げてくれれば来年買い増すころには安値で買えることを祈ります!PEPは相変わらず株価好調で時価総額2位まで上がってきていますが、1位になるのも時間の問題かもしれませんね。

2.運用実績推移

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運用実績の推移はサゲサゲだった5月からは評価損益は改善しました。配当も全て加味した資産増加率は徐々に評価損益率と差が付き始めています。配当は下落相場では本当に強みを発揮しますね。ABBVを買い増せたのも配当金が多少貯まっていたのでそれを使って買い増すことができました。本当に強い味方です。

3.配当実績推移

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最後に配当実績です。今月はNISA枠からD,RDSといった高配当銘柄からの配当が入ったことで100ドル超えを達成できました!来月もPM,MOと高配当銘柄の配当月になるので100ドル超えが期待できそうです!株価はG20やら米中貿易戦争やらで手控え傾向が続いていましたが配当は安定して入ってくるところが米国株の魅力ですよね。

来月からも資産がドンドン伸びていくことに期待します!ではでは!

 

アッヴィ(ABBV)のアラガン(AGN)買収効果を分析しました!

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

6/25の開場前にアッヴィ(ABBV)がAllergen(AGN)という会社を買収するというニュースが出ました。これによりABBVは15%近く値を下げる暴落に見舞われましたね。企業買収って買収側から見ると成長のタネとなり得るので、そうゆうリリースが出ると株価が上がりそうな気がしますが、割高で買収したり成長ドライバーとしては不十分だと市場が判断すると逆に株価は下がるんですね。ノミの投資家は暴落するとついつい反射的に買いたくなってしまうのですが、手元にあった1200ドルで我慢できずに買ってしまいました!笑

さて、ABBVホルダーのノミの投資家は、この買収については当然興味がありますので、買収でどのような効果がありそうか少し調べてみました!

 

と言っても、もみあげさんやたぱぞうさんが既にそれぞれの視点から素晴らしい分析をされていますのでこちらも是非ご覧下さい!(もみあげさん、たぱぞうさん、一部内容かぶってしまってすみません、、、)

www.momiage.work

www.americakabu.com

 

また、ABBVの財務分析については以下の記事に記載していますので合わせてご覧ください。

nomiinvestor.hatenablog.com

 目次

1.ABBVがAGNを買収

こちらが6/25のリリースですが、AGNを630億ドルで買収する予定とのことです。630億ドルって約6兆5000億円ですからどえらい規模の買収ですね!18年に、武田薬品が発表したシャイアーの買収も6兆8000億円規模でしたし、今月ファイザーが米アレイを買収したのも1兆2000億円でしたので製薬会社の買収は兆単位という巨額の買収になるんですね。ABBVはAGNを買収する際に45%ものプレミアをつけて買収すると言っていますので兆単位の巨額な値段にさらに非常に高いプレミアをつけるって余程ABBVはAGNを買いたかったんでしょうね!

news.abbvie.com

2.買収の目的と効果

そのAGN買収について株主向けのプレゼン資料がHP上で出ていましたので、それを読んでこの買収の効果を見ていきたいと思います。以下挿入しているプレゼンは全てこの資料からの抜粋になります。

https://www.abbvie.com/content/dam/abbvie-dotcom/uploads/PDFs/allergan/abbVie-allergan-acquisition-investor-presentation.pdf

【買収の目的】

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こちらに買収の目的と効果のサマリーが書いてありますが、要約するとこんな感じです。

・ABBVの商基盤とグローバルインフラの強みとAGNの美容健康維持セグメントの強みでシナジーが生まれる

・売上拡大により美容と神経系セグメントでマーケットリーダーとなり更に胃腸系および女性健康関連の特許を取っていく

・ヒミュラを除いた分野での成長市場での収益基盤を構築

・2023年のヒミュラのジェネリック化による収益減インパクトを和らげる。それまではヒミュラは引き続き強いCFを生み出し続けており2023年までに買収による負債を完済する

・買収によりEPSは初年10%改善し翌年以降は20%改善、強靭なCFで負債を返済していく。この収益性とCFの強さで配当は引き続き伸ばしていく

やはりCFの強さで2023年までに負債を返済するとハッキリ言っているところが信頼感がありますし、配当も伸ばすと言っているので配当狙いの人でも安心できるポイントかなと思います。また、特許もドンドン出願していくようなので、この買収によるシナジー効果は大きいと思われます。

 

【市場ポジション】

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売上で見てみると業界内のポジションはABBVが9位、AGNが16位でしたが、この買収で一気に4位まで上がり、特許切れで売上減が懸念されているヒュミラの売上分を除くと買収後は10位の位置になるようです。

また、営業キャッシュフローではABBVは業界5位と強靭なCFを誇りますが、AGNも比較的CFは強く、2社合わせた新ABBVは業界3位の営業CFを誇る会社となります。元々ヒュミラで稼ぎまくっているABBVはこの基盤で金が稼げる内にポストヒュミラとなる事業の柱を確立したかったのでしょう。

 

【事業ポートフォリオ

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ポートフォリオは現在の強みである免疫系・血液系のセグメントも引き続き強化しつつ、AGNが強い美容健康維持系での販売を伸ばしていくようです。また現在はヒュミラ以外の成長分野は140億ドル程度の売上ですが、新ABBVでは2020年までに290億ドル規模まで拡大するみこみとのことです。これにより元々売上の60%を占めていたヒュミラの構成比は40%までさげることができます。

 

【B/Sに関して】

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今回の買収のために380億ドルはモルガンスタンレーMUFGから借入することで合意いているようですね。そして強靭なCFをさらに強化し、配当についてもさらに増配していくことをコミットしています。また信用格付けもBaa2/BBB以上をキープし、負債も2021年までには150~180億ドルまで減らし、2023年までには完済する見込みです。

以上が買収の目的と効果になりますが、明確に負債返済期限や配当増配の意思を示しており、また事業分野についても戦略的にポートフォリオを構築していることが分かります。

 

3.AGNの財務分析

【収益性分析】

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売上は年々伸ばしてきており販売力・商品力の強さを物語っていますが2015年以降はやや停滞気味に推移しています。一方営業利益率は非常に低く、2012年ごろまでは10%程度であったのに対し2014年以降は売上の拡大に対し利益が伸びていません。恐らく売上伸ばすためにかなりの費用をかけて販売を強化していたのではないかと推察します。またABBVはプレゼン資料なかで費用を効率化していくと謳っていますので、費用改善で利益改善を目指していくものと考えられます。

キャッシュフロー

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利益の低さに比べると営業CFは非常に優秀で営業CFマージンは35%と驚異的な数字となています。営業利益は低いので販売に費用はかかっているが手元にキャッシュを多額に残せる強さを持っていますね。ABBVがCFについて自信を持っているのはAGNのキャッシュが強いところも背景としてあると考えらえます。

【配当性】

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営業利益が低いことでEPSはボロボロなのですが、意外とBPSは年々増加しています。これは潤沢なキャッシュフローも背景としてありますが、AGNは株式を追加発行して自己資本を調達しておりそれがBPSを引き上げている主要因と思われます。

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【バランスシート】

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資産は大半が無形資産となっています。一方負債の部では自己資本比率が64%に達しています。追加株式発行で自己資本を調達し、またそれと並行して売上が拡大しているので、調達した資金を特許や企業の買収に回していることで無形資産が増えているのではないかと考えられます。この無形資産の中にはもしかすると金の卵が入っていてABBVはこれらの特許価値などを評価して45%のプレミアをつけているのかもしれません。


4.まとめ

以上、買収の目的と効果、そしてAGNの財務分析になりますが、ノミの投資家の考えとしてはこの買収は非常によく戦略を考えられていて、確かに45%のプレミアの%自体はかなり高いと思いますが、逆にそれほどのプレミアを払ってでも他社に取られたくないほどの価値のある企業だということも言えると思います。ポートフォリオや市場性については薬品業界の人でもない限り、正直素人がいくらいろいろ考えてもハッキリ言って全然分かりませんし、素人の知識で勝手に判断してもジャッジミスになる可能性もあります。なので、事業分析はあまり気にしないのがノミの投資家スタイルですが、財務分析を見るとやはり無形資産が多い部分でかなり価値のある特許などを抑えている可能性は高いかなと考えます。そしてAGNのCFが強いところもかなり魅力だと思います。そして重要なポイントとして、ヒミュラの特許切れについては何年も前から分かっていることですが、ABBVはちゃんと将来を見据えて戦略を立て、リスクを取って動いているということが分かりました。製薬会社は今後も買収を繰り返しながら成長していく必要がありますが、今回の買収でCFが更にめちゃくちゃ強くなるのは今後の新たな買収を考える際にも強力な武器になることは間違いありませんので、そうゆう意味でも、この買収は必要なことだったんだと思います。

ノミの投資家としては今後もABBVには継続して投資していくつもりです。

 

この見解はあくまで個人の見解になりますので、投資は自己判断でお願いします。

個人賠償責任保険を初めて使いました

こんにちは!ノミの投資家です。

 

いつもの投資の話とは変わりますが、今月「個人賠償責任保険」というものを初めて使いました。保険って自動車保険とか生命保険とか火災保険とかいろいろありますが、保険料結構払うのに使うことが少なくてついついオプションとか削ってしまいがちですが、今回使った個人賠償責任保険はとてもありがたい保険だと感じましたので記事に書きたいと思います。

1.個人賠償責任保険とは?

個人賠償責任保険(こじんばいしょうせきにんほけん)とは、個人日常生活住宅の使用・管理等に起因して第三者身体財物に損害を与え、賠償責任を負担した場合の損害を包括的にカバーする賠償責任保険である

個人賠償責任保険 - Wikipedia

この説明の通りなのですが、簡単に言うと他人のモノを壊したりケガをさせてしまったときにその賠償として適用できる保険で、これの何が良いかと言うと、なんと家族も含めて他人のモノを壊したときに適用できるんです!普通の大人なら日常生活をしていて他人のモノを壊したりケガをさせたりすることはあまりないので使わないだろうと思いがちですが、子供のいるご家庭は友達のものを壊したりする可能性は多いにありますのでとても便利な保険です。

ただし、他人のモノを借りて使用している際に壊した場合などは自分に管理責任があることになり、対象外となってしまったりするようなので要注意です。免責事項はくれぐれもご確認ください!

 

コープ共済の個人賠償責任保険の例

coopkyosai.coop

親子でキャッチボールをしていて他人の家のガラスを割った。

2.子供が友達のモノを壊してしまった!

今回、ノミの投資家がこの保険を適用した事例は、子供が友達のものを壊してしまった件になります。子供って好奇心の塊ですから普通に考えてやってはいけないことでも何のためらいもなくやってしまいますよね。子供同士で遊んでいるときになんと友達の家の玄関カギを壊してしまったんです。。。その友達一家は家に入れなくなってしまい、修理を呼んだところ修理代に〇万円も取られてしまいました。。。当然私一家が弁償しないといけないんですが、これホントにショックですよ!!毎日投資のために節約して生きているのに突然何でもないカネが〇万円も出て行ってしまうんです!!あぁ、、、このカネがあれば米国株買えるのに、、とつい思ってしまったのですが、やっぱり米国株中毒なのかもしれません 笑

3.自動車保険の特約に付けていた個人賠償責任保険

突然の〇万円の出費に焦ったノミの投資家ですが、どうにかしないとと思い、いろいろ頭を回してみたところ、昔自動車保険に入った際に他人のモノを壊したときに使える保険が特約にあると説明を受けていたことを思い出したんです!その当時、「あ~これで子供が何か壊しても安心だな」と思った記憶があったので運よく覚えていました。すがるような思いで問い合わせたところ、なんと今回の事案ではその個人賠償責任保険が適用可能ということが分かりました!早速代理店を通じて申請を上げました!

4.保険会社とのやり取りと請求

代理店に申請を上げた翌日に、自動車保険を契約している東京海上さんからお電話がかかってきました。お電話の内容は、子供がカギを壊した際どのような状況だったか、親は近くにいたか?友達がやったのではなく本人がやったのは間違いないか?などの状況確認の内容でした。淡々と状況を説明した後、今回の事案は適用可能だということが告げられました。二日後ぐらいに保険金の請求書が届き、請求書と示談書を記入し無事請求することができました。今回は子供同士の事故でしたし相手方も理解のある方だったので示談書への署名や保険金振り込み先の記入など(相手方が一旦立て替えている状態だったので保険金は相手方へ直接支払いすることにした)はスムーズに話ができましたが、相手方が話しづらい場合などはこうゆうのもちょっと面倒かもしれませんね、、、

5.まとめ

保険金の振り込みは請求書を提出してから4~5日程度で支払い完了通知が届きました。請求~支払い完了まで何の問題もなく万事スムーズに保険金を無事請求することができました。東京海上さんの対応も良かったですし、相手方もご近所さんでしたので話がしやすくスムーズでした。保険金のおかげで手痛い出費を防げたのですが、でも、今回一番良かった点は、相手方との関係が気まずくならなくて済んだことですね。自分の子供がやったことなので当然こちらが弁償しないといけないものなんですが、相手方も子供同士で遊んでてやったことですから~みたいな感じでお金を受け取ろうとしなかったんです。こちらが弁償しないのも気まずいし、相手方もお金を受け取るのも気まずい感じになる状態だったのですが、全額保険金処理というどちらも気を使わなくて済む方法で処理できたので相手方との関係が良好に保てています。本当に良かったです。

この「個人賠償責任保険」ですが、たいていの場合自動車保険や火災保険、クレジットカードの保険の特約なんかに入っていることが多いようです。保険料も数百円程度でつけられるので、お子さんのいるご家庭では絶対に付けておいた方がいい特約だと思います。みなさんも是非、一度身の回りの保険を確認してみると良いと思います!

 

ブリティッシュアメリカンタバコ大丈夫???

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

最近ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)の株価がダダ下がりで全く冴えませんね。ノミの投資家も取得価格が40ドル付近だったのですが、6/18現在の株価は35ドルあたりと15%ほど含み損を抱えている状態です。株価が下がったことで配当率は7%を超えており驚異的なレベルに上がってきていますね。

ここで気になるのは、やはり

この株大丈夫??

ってとこですよね。ノミの投資家も本当に大丈夫か気になってきましたので得意の財務分析で状況を確認してみました!

 

目次

 1.株価下落の原因

BTIは言わずと知れた世界3位のタバコ製造会社でしたが、17年1月に米2位のレイノルズ・アメリカン経営統合し世界2位の規模となりました。元々レイノルズの42.2%の株式を保有しており、残りの57.8%を追加で約5兆6千億円で取得することで100%子会社としました。


www.nikkei.com

しかし、BREXITによるイギリス本国の景気不透明に加え、FDAによるメンソール規制検討や近年のタバコ出荷本数の減少、カナダケベック州での巨額訴訟などのリスクにより株価は低迷を続けております。これだけいろいろな事業上のリスクを抱えていますが、実際の業績はどのように推移しているのか気になるところです。

株価を見てみると17,18年ごろに比べて半値まで下がっていますからそのころ買った人は大きな含み損を抱えているかも知れませんね、、

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ここ3年のBTI株価

2.収益性分析

まずは収益性を見てみましょう。

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売上は2017年のレイノルズ買収により大幅に伸長してきています。また営業利益率も同時に伸びてきており39%と全く文句ない水準に達しています。競合のフィリップモリス(PM)と比較してみてみます。

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PMは17年までは営業利益率40%を誇っていましたが、18年は38%と凹んでいます。これは売上が伸びていることも影響されるので決して悪い数字ではありませんが、18年はBTIの方が営利率は高かったんですね。ただ、いずれにしても米国株屈指の財務健全銘柄であるジョンソンエンドジョンソン(JNJ)ですら営利率25%ですから、タバコ株がいかに利益の出る事業かが分かります。

3.キャッシュフロー分析

次にキャッシュフローです。

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投資がほとんど必要なく高い営業利益に裏付けされたタバコ銘柄らしく圧倒的なキャッシュフローですね。レイノルズ買収後にさらに営業CFは良くなり2018年の営業CFマージンは42%に達していますから、お金に困ることはほぼないといえる状態です。ちなみにPMは38%と同じくハイレベルですが、BTIを下回っています。

4.配当性分析

次に一番気になる配当性の分析です。果たしてこの高配当を今後も維持できる状態なのでしょうか??

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17年のEPSや18年のBPSはレイノルズ買収による影響が入っていますので異常値です。一株配当はGBPベースで2018年に前年比-7.8%と減配となってしまっていますが、基本的には17年は40%増配しており前年の大幅増配が減配の要因の一つにもなっているようです。EPSは基本的に10年間右肩上がりに成長してきております。配当性向も60~70%台で推移しており配当余力は十分持っていると言えます。

5.バランスシート分析

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まずは負債の部です。17年に自己資本比率が43%と大幅に伸びていますが、これはレイノルズ買収の際に必要資金の一部を株式発行で調達したと思われます。これにより自己資産が増加しており財務的には健全化しています。

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 資産の部は、17年のレイノルズ買収による無形資産(のれん)の計上で無形資産が大幅に伸びていますが特段その他目に付くことはありません。

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発行済株式数を見てみるとやはり17、18年に追加発行し資金調達しているのが分かります。レイノルズの買収は巨額ですから借入だけでなく市場からの調達も必要だったのでしょう。ただ、発行枚数は増加しているとは言え、一株当たりの利益(EPS)は伸びているので買収自体はうまくいったと言えるでしょう。

6.まとめ

財務状況だけを見ると競合のPMよりも寧ろ良いぐらいで全く問題ないです。18年にGBPベースで減配はしているものの19年はドルベースでは増配してきており、配当性向もまだ余力のある水準ですので今後の配当・増配にも期待できる状態と言えます。なので懸念点はやはり事業上のリスクですね。 出荷量が減少している点については今更分かったことでもないためタバコ会社は値上げや利益率の高い電子・加熱式タバコの拡大対応してきていますので、大きな問題はないと思います。怖いのはやはり規制でしょうね。。ただ、規制についてもタバコ会社は巨額の税収源ですから政府としてもそう簡単に失いたくはない産業と思われます。なので無暗な規制といのはあまり考えにくいと考えます。結論としては、BTIはタバコ銘柄である以上事業上のリスクはずっと昔から抱えて成長し結果的に莫大なキャッシュを生み出してきました。リスクはあるにせよ財務体質は盤石です。ノミの投資家としては、タバコ銘柄はこのような歴史がある以上、今後も繰り返しながら存在し続けることで投資家へしたたかに配当益を提供し続けるのではないかと考えます。

 

 

あくまで個人の考えになりますので、投資は自己判断でお願いします。 

 

 

金融庁の老後2000万円報告書を読んだ感想

こんにちは!ノミの投資家です。

 

金融庁が6/3に公表した「高齢社会における資産形成・管理」についての報告書が話題を呼んでますね。ノミの投資家も老後のための資産形成にはとても興味があり、そもそも米国株投資をしているのも年金対策です。なので早速この報告書を読んでみたので、その感想を書きたいと思います!

データは全て同報告書から引用しています。

https://www.fsa.go.jp/singi/singi_kinyu/tosin/20190603/01.pdf#search=%27%E9%87%91%E8%9E%8D%E5%BA%81+%E9%AB%98%E9%BD%A2%E7%A4%BE%E4%BC%9A%27

金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書

「高齢社会における資産形成・管理」

 

目次

1.話題沸騰の理由 

この報告書がなぜ話題沸騰しているかと言うと、「老後資金は年金だけでは夫婦で2000万円不足するから各自で対策を!」とハッキリと言っているからです。え!年金毎月こんなに払ってて老後は100歳まで安心なんじゃないの!?と考えていた方と、国民にそう思わせようとしていた政府が驚いて騒動になっているんですね。現実は違うんです。

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このチャートは夫65歳、妻60歳以上の高齢夫婦世帯の実支出と実収入ですが、金融庁のシミュレーションだと年金が19万円でその他収入を合わせても実収入は21万程度、それに対し支出は26万円程度と毎月5万円不足するらしいです。これを現在の平均寿命で換算すると死ぬまでに2000万円が不足するということらしいです。

金融庁はハッキリ言っているんです。年金で全てを保障できない!と。

2.日本経済の未来

同報告書は少子高齢化が今後益々進んで人口ピラミッドは完全にピラミッドの形を崩して寧ろ逆三角形に近くなっていくみたいですね。これ、人口が今後どんどん減少していくって言う意味で、もう増えることはないんです。マクロ経済では人口は経済力の根底ですので、要は日本の経済力は今後衰退していく可能性が高いと言っているんです。

年金を払う労働人口が減って受け取る人が増えるのに加え経済が衰退していくのに今の社会保障水準が保てる訳ないですよね。

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3.資産運用のアドバイス

同報告書では年金だけに頼れないから、労働年齢を長くしようとか日本の高齢者は数的処理能力が他国と比べ相対的に高水準だから年取っても働けるとか書いてますが、論点の重点は若いうちから資産運用で資産をちゃんと形成しておきなさいという論調です。

重要なことは、長寿化の進展も踏まえて、年齢別、男女別の平均余命などを参考にしたうえで、老後の生活において公的年金以外で賄わなければいけない金額がどの程度になるか、考えてみることである。それを考え始めた時期が現役期であれば、後で述べる長期・積立・分散投資による資産形成の検討を、リタイヤ期前後であれば、自身の就労状況の見込みや保有している金融資産や退職金などを踏まえて後の資産管理をどう行っていくかなど、生涯に亘る計画的な長期の資産形成・管理の重要性を認識することが重要である。

 現役世代は早く長期・積立・分散投資に取り組んで対策を立てなさいと言っているのですが、ちょっと感動しました!私が今やっていることは間違ってないと確信しました!やっぱり労働して貯金よりも、適切に資産運用すれば資産をさらに増やせるよって有識者がハッキリ言ってくれているんですね。さらに私が感動したのは以下の部分です。

保有期間が5年ではマイナスリターンも発生するが、保有期間が20 年になるとプラスリターンに収斂し、さらにそのバラつきも小さくなる。
さらに期間を 40 年という超長期で見ても、日経平均だけに積立投資するよりも、米国 NY ダウと組み合わせた方がトータルリターンはさらに大きくなり、そのバラつきも小さくなる

 これ、結構衝撃でした。金融庁という仮にも国の機関が日経平均だけでなく米国株も組み合わせた方がパフォーマンスがいいと言い切っているんです。米国株投資家からすると、米国株だけにした方がもっとパフォーマンスいいよって感じですが、国の機関なんでさすがにそこまでは言えなかったんでしょう。しかしここまで踏み込んだアドバイスをしてくれているってホント涙もんですよ!

4.結論と感想

結論としてはこの報告書は、できるだけ運用しながら自分で老後資金を作ってねって言っていて、現役世代・定年退職前後世代・高齢世代それぞれの年代に合わせたアドバイスが記述されています。特に現役世代に向けたアドバイスとして、「時間」という武器を有効に使うように言っています。これ、ものすごく的確なアドバイスで、若い世代は早くこのことに気付くべきだと思います。

現役期は、他の年代に比べて、老後に備えた準備のための「時間」を多く保有しており、これは老後に向けた資産を形成する点で、非常に大きなメリットである。保有する資産が少ない、もしくは収入が少なくても、少 額からでも長期・積立・分散投資を習慣化して行うことにより安定的に資産を形成できる可能性は十分にある。多くの「時間」を保有している現役期においては、取りうる手段は他の期に比べて非常に多い。

 年金だけを頼りに高齢を迎えるのはもはや不可能とこの報告書は言ってくれていて、資産運用というヒントまで提示してくれています。本当に素晴らしい報告書なのですが、今の政府はこの報告書をなかったことにしようとしています。消費増税前に良からぬ雰囲気を作りたくない意図なんでしょうが、国民は早く現実に目を向けてこの報告書に真摯に向き合うべきだと思います。

 

とても的確で丁寧な報告書だと思いますので、皆さんも是非ご一読を!

5月までの実績まとめ

こんにちは!ノミの投資家です。

5月は4月までのアゲアゲ相場から一転、GWの終盤にトランプ関税砲が相場を直撃してサゲサゲ一色でしたね、、、ノミの投資家のポートフォリオも大幅下落しましたが、一つ嬉しいことが!月間配当がついに100ドルを超えました!100ドルって一つの目安でしたから一つの節目を迎えたようで嬉しいです^^

っということで、5月末までの実績をまとめたいと思います。 

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5月ポートフォリオはRDSとPFEを少々買い増ししたことヘルスケア分野が合計20%とバランスが取れてきました。ただ、相場全体の下落に引きずられたのに加え、GISはレーティング格下げ、JNJはオピオイド系鎮痛剤訴訟、ニールセンのタバコ出荷大幅減少報道でPM, MO, BTIが大打撃を食らいました!!先月までは含み損益率が+6%程度でしたが、+2%まで減少しました。ホント次から次へとよくもいろんな爆弾をぶつけられました。ただ、タバコ株が大幅下落したことで結果的にタバコ率が減ってバランスは良くなりましたね。

次に配当を見てみます。

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月間配当はMOからの配当が4月から遅れて入ったことで5月分は139ドルに達しました!これぐらい纏まって受け取れると嬉しいですね~ 6月もD、RDS、PFEなどのNISA枠からの配当が入るので結構額としては伸びそうです^^

続きまして総合成績変遷です。

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3月には9%を超える評価損益率を誇っていましたが2%台まで低下しました。しかし下落相場なんていつでも来ますし、逆に上昇相場もいつでもきます。要は含み損益をあまり気にしてもしょうがないということです。配当が少しずつ積みあがってきたので総資産にも少しずつ効いてきました。年内には合計1000ドル程度まで積み上がると思いますので、来年以降はやりたくて堪らなかった配当再投資ができそうです!

下落相場でも平気でいるための備忘録

こんにちは!ノミの投資家です。

 

5月の米国相場は思いっきり下げ相場で投資家の中には心穏やかではない人もいらっしゃるのではないでしょうか?19年の米国株相場は1月にアップルショックや前年末からの逆イールド発生で大幅下落に始まり、そこから怒濤の上げ相場を演じた後、なんとS&P500指数は4/30に最高値を更新しました。しかしそこからトランプさんお得意の関税砲で米中貿易戦争再激化の様相を呈してきてから5月のS&P500指数は結局、約6.5%も下落することになりました。この貿易摩擦は長期化する可能性があり、これによる世界景気の減速が懸念されています。相場は今後の景気動向にかなりセンシティブになっており一部では20年からリセッション入りするかもと噂されているほどですね。

このような相場の動きに関して、ノミの投資家も不安がなくはないので、そんな中でもノミの心臓を守りつつ長期投資家として平然と追加投資を行っていけるよう備忘録的な記事を書いてみました。

1.S&P500の歴史

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こちらは1920年代から現在までのS&P500指数の動きの歴史です。数々の暴落を経験してきましたが、S&P500が30%を超える暴落を経験したのは過去に7回あるそうです。

  • 1929年8月~1932年6月:-86%
  • 1937年2月~1938年3月:-53%
  • 1968年11月~1970年6月:-33%
  • 1972年12月~1974年9月:-46%
  • 1987年8月~1987年11月:-34%
  • 2000年3月~2002年10月:-49%
  • 2007年10月~2009年3月:-56%

米国株(S&P500)長期推移(チャート・変動要因) / 30%以上の暴落は過去7回 - ファイナンシャルスター

やはり2000年以降に起こったITバブル崩壊リーマンショックが目につきますね。50%も株価が下落したら精神崩壊する人が出てくるレベルですね。ただ、アメリカは過去に起こった様々な危機を金利政策や他国への締め付けなどで乗り越えて、数年で株価は回復し結論は最高値を更新し続けているのです。1990年のバブル崩壊からいまだに最高値を更新できていない日本とは経済や政策の信頼度が全く違いますね。今後も何か大きな経済危機やリセッションが一時的に訪れるかもしれませんが、世界経済の中心であるアメリカは過去の歴史から見ても、ものの数年で持ち直して最高値をこれからも更新し続けていくものと思います。

2.株価下落は長期投資家にとってはチャンス

株価が下落して含み益がなくなったり含み損が出たりすると気分悪いですよね。それは短期トレーダーならなおさらですが長期投資家の人でも同じだと思います。ただ、長期投資家にとってはこの株価下落は将来のパフォーマンスを伸ばす絶好のチャンスなんです!それを確認するためにシミュレーションをしてみました。

 <シミュレーション条件>

初期投資:300万円

追加入金:年間50万円

配当金は全額再投資

投資期間:30年

 

<ケース①>

まず、株価(増配率)が年率3%ずつ上昇した場合をシミュレートします。配当利回りは平均で3.5%で全額再投資です。これで30年回したところ配当金は200万円、資産は58百万円(資産増加額41百万円)まで伸ばすことができました

配当金 2,054,994
総資産額 58,714,113
投入資産 17,500,000
資産増加額 41,214,113
・平均配当利回り 税引き後3.5%
・投入:初年300、2年目以降年間50万
・株価(増配率)が3%ずつ上昇

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 <ケース➁>

次に下落相場を想定しました。株価が2~15年目まで3%ずつ下落し16~30年目まで3%ずつ回復、30年後には元の株価に戻る(30年後に株価成長無し)という値動きです。ただ、その中でも減配は無し想定で、入金は上と同じ条件でシミュレーションしたところ、配当金は600百万円、資産は79百万円(資産増加額61百万円)となりました。なんと、ずっと株価が上がり続けた場合よりも一度下落して元に戻る方が30年後のパフォーマンスが良くなるんです!これは株価が下落する中で割安に枚数を増やせるので16年目以降の株価上昇の際の起爆剤になっているんですね。株価下落は嬉しいことなんです!笑

配当金 6,413,535
総資産額 79,088,360
投入資産 17,500,000
資産増加額 61,588,360
・2~15年目まで株価が3%ずつ下落
・16~30年目は3%ずつ回復
・30年目には元の株価に戻る

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3.正しい銘柄の株価は成長を続ける

こちらは連続増配銘柄や、シーゲル銘柄の代表各の過去50年の株価変動の歴史になります。 

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どうでしょうか、S&P500が暴落の歴史を繰り返している中で配当貴族、シーゲル銘柄の株価は淡々と成長を続けているのが分かります。ここ10年の上昇が急激すぎて下落余地が大きいのではないか?と見えるかもしれませんが、これは目の錯覚です。グラフが株価の絶対額になっているため、例えば40→60ドルと20→40ドルの上昇が同じ角度になってしまっているせいです。20→40ドルの方が株価が2倍になるので上昇率としては大きいのですが、グラフがそうなっていないので誤解されがちですね。上昇率のインデックスでみるとどの銘柄もかなりキレイな右肩上がりになると思います。高配当、連続増配銘柄はセクターにもよりますが基本的に相場変動の影響を受けにくく、自らの業績が良ければ配当に裏打ちされた強さを持っています。なので下落相場でも比較的安心して買い増していけるのです。ただ、KOやPFEのように一時的に株価が急騰している時期がある銘柄は、このときに高値掴みをしてしまうのは危険ですね。信頼できる銘柄でもバリュー系銘柄がPER40倍超えとかになると高値掴みのリスクが高くなります。肝心なことは、「正しい銘柄を適正な価格で買うこと」これに尽きると思います。

4.まとめ

S&P500は下落、暴落の歴史を繰り返してここまで力強く成長を続けてきました、それは今後も変わることはないと考えます。なぜなら米国の成長なくして世界の成長はないと言えるほど米国は世界への影響力が強いからです。長期投資家にとって重要なのは正しい銘柄を選ぶこと、そしてBuy&Holdで簡単に手放したりしないことですね。株価の上下は読めませんので、信頼のおける銘柄を適正なPERで購入し続けることで下落相場でも心穏やかに過ごして将来の資産を増やしていきたいと思います。

 

 

上記は個人の考えになりますので、投資はあくまで自己判断でお願いします。

 

 

 

 

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