ノミの投資家奮闘記

ノミの投資家奮闘記

サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

ブリティッシュアメリカンタバコ大丈夫???

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

最近ブリティッシュアメリカンタバコ(BTI)の株価がダダ下がりで全く冴えませんね。ノミの投資家も取得価格が40ドル付近だったのですが、6/18現在の株価は35ドルあたりと15%ほど含み損を抱えている状態です。株価が下がったことで配当率は7%を超えており驚異的なレベルに上がってきていますね。

ここで気になるのは、やはり

この株大丈夫??

ってとこですよね。ノミの投資家も本当に大丈夫か気になってきましたので得意の財務分析で状況を確認してみました!

 

目次

 1.株価下落の原因

BTIは言わずと知れた世界3位のタバコ製造会社でしたが、17年1月に米2位のレイノルズ・アメリカン経営統合し世界2位の規模となりました。元々レイノルズの42.2%の株式を保有しており、残りの57.8%を追加で約5兆6千億円で取得することで100%子会社としました。


www.nikkei.com

しかし、BREXITによるイギリス本国の景気不透明に加え、FDAによるメンソール規制検討や近年のタバコ出荷本数の減少、カナダケベック州での巨額訴訟などのリスクにより株価は低迷を続けております。これだけいろいろな事業上のリスクを抱えていますが、実際の業績はどのように推移しているのか気になるところです。

株価を見てみると17,18年ごろに比べて半値まで下がっていますからそのころ買った人は大きな含み損を抱えているかも知れませんね、、

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ここ3年のBTI株価

2.収益性分析

まずは収益性を見てみましょう。

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売上は2017年のレイノルズ買収により大幅に伸長してきています。また営業利益率も同時に伸びてきており39%と全く文句ない水準に達しています。競合のフィリップモリス(PM)と比較してみてみます。

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PMは17年までは営業利益率40%を誇っていましたが、18年は38%と凹んでいます。これは売上が伸びていることも影響されるので決して悪い数字ではありませんが、18年はBTIの方が営利率は高かったんですね。ただ、いずれにしても米国株屈指の財務健全銘柄であるジョンソンエンドジョンソン(JNJ)ですら営利率25%ですから、タバコ株がいかに利益の出る事業かが分かります。

3.キャッシュフロー分析

次にキャッシュフローです。

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投資がほとんど必要なく高い営業利益に裏付けされたタバコ銘柄らしく圧倒的なキャッシュフローですね。レイノルズ買収後にさらに営業CFは良くなり2018年の営業CFマージンは42%に達していますから、お金に困ることはほぼないといえる状態です。ちなみにPMは38%と同じくハイレベルですが、BTIを下回っています。

4.配当性分析

次に一番気になる配当性の分析です。果たしてこの高配当を今後も維持できる状態なのでしょうか??

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17年のEPSや18年のBPSはレイノルズ買収による影響が入っていますので異常値です。一株配当はGBPベースで2018年に前年比-7.8%と減配となってしまっていますが、基本的には17年は40%増配しており前年の大幅増配が減配の要因の一つにもなっているようです。EPSは基本的に10年間右肩上がりに成長してきております。配当性向も60~70%台で推移しており配当余力は十分持っていると言えます。

5.バランスシート分析

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まずは負債の部です。17年に自己資本比率が43%と大幅に伸びていますが、これはレイノルズ買収の際に必要資金の一部を株式発行で調達したと思われます。これにより自己資産が増加しており財務的には健全化しています。

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 資産の部は、17年のレイノルズ買収による無形資産(のれん)の計上で無形資産が大幅に伸びていますが特段その他目に付くことはありません。

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発行済株式数を見てみるとやはり17、18年に追加発行し資金調達しているのが分かります。レイノルズの買収は巨額ですから借入だけでなく市場からの調達も必要だったのでしょう。ただ、発行枚数は増加しているとは言え、一株当たりの利益(EPS)は伸びているので買収自体はうまくいったと言えるでしょう。

6.まとめ

財務状況だけを見ると競合のPMよりも寧ろ良いぐらいで全く問題ないです。18年にGBPベースで減配はしているものの19年はドルベースでは増配してきており、配当性向もまだ余力のある水準ですので今後の配当・増配にも期待できる状態と言えます。なので懸念点はやはり事業上のリスクですね。 出荷量が減少している点については今更分かったことでもないためタバコ会社は値上げや利益率の高い電子・加熱式タバコの拡大対応してきていますので、大きな問題はないと思います。怖いのはやはり規制でしょうね。。ただ、規制についてもタバコ会社は巨額の税収源ですから政府としてもそう簡単に失いたくはない産業と思われます。なので無暗な規制といのはあまり考えにくいと考えます。結論としては、BTIはタバコ銘柄である以上事業上のリスクはずっと昔から抱えて成長し結果的に莫大なキャッシュを生み出してきました。リスクはあるにせよ財務体質は盤石です。ノミの投資家としては、タバコ銘柄はこのような歴史がある以上、今後も繰り返しながら存在し続けることで投資家へしたたかに配当益を提供し続けるのではないかと考えます。

 

 

あくまで個人の考えになりますので、投資は自己判断でお願いします。