ノミの投資家奮闘記

ノミの投資家奮闘記

サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

コカ・コーラの売上が落ちている理由

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

貿易戦争激化の影響で5月の相場は世界的に下落しましたね。ノミの投資家のポートフォリオも含み益が雀の涙ほどに減少しました!ま、株価の下落なんて全く気にしてないですけどね!重要なのは株価が下落したときでも安心してバーゲンセールと思って買い増せる銘柄を保有していることです。それほど信頼に足る銘柄を選ぶこと、それが長期投資の神髄です。

そんなノミの投資家のポートフォリオでも比較的大きなポーションを占めている銘柄のコカ・コーラ(KO)についてちょっと気になったことがあったので調べてみました。

 1.コカ・コーラの収益性

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コカ・コーラ(KO)の収益性ですが、とにかく目に付くのが営業利益率の高さです。2018年はなんと31%です!!!これはライバルのペプシコ(PEP)の16%と比べて2倍、日本の代表銘柄キリンHDの10%と比べて3倍ですので、KOの稼ぐ力がいかに驚異的かが分かります。創業100年を超える企業で創業当時から変わらぬ製品をこれほどの高い利益率で売りまくるKOは本当に素晴らしいの一言ですね。

そんなKOですが、気になる点があります。それは売上の減少です。2012年には480億ドル弱あった売上が減少の一途をたどり、2018年には320億ドルまで減少してしまっています。これは株主としては気になるところですね。その背景について調べてみました。

2.コカ・コーラの事業ポートフォリオ

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こちらがKOのポートフォリオですが、やはりコーラ・スプライト・ファンタなどの炭酸飲料が売上の7割弱を占めており事業の中核となっています。他にもTea&Coffeeの事業も大きく、日本の綾鷹ジョージアなども売上に大きく貢献しているんですね。Monsterなど人気のエジードリンクもKOが持っている事業です。

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https://www.coca-colacompany.com/investors

そんなKOの事業ですが変革の時期を迎えているようです。2015年は売上は440億ドルの半分以上はBottling Investments Groupという事業でしたが2018年はこれを1/8程度まで減らし、同事業の従業員も104千人から26千人と1/4程度まで減らしています。事業変革のメインにもアセットライトとボトリング事業をパートナーにフランチャイズするという記述がありますので、KOがこのボトリング事業を軽量化したという狙いが見て取れます。ではそのボトリング事業とは何でしょう?

3.ボトリング事業とは?

 ボトリング事業というのは読んで字の如く瓶詰め事業です。KOの大半は清涼飲料販売ですが、飲料を販売しようとすると当然瓶詰めが必要になります。ボトリング事業はその瓶詰めと各国での販売事業を担うものですが、なんといってもこの利益率が引くいんですね。こちらをご覧ください。

 

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 こちらはCoca Cola Consolidated Inc(COKE)というKOの子会社でボトリングと販売を担う会社ですが、営業利益率は5%以下の事業です。瓶詰めと販売は行っている事業の付加価値に比べ設備維持と販売網維持のための費用が多大にかかる事業なんですね。近年の売上高増は単価値上げによるものですがそれに伴い営業利益率が低下していますから製品付加価値に比べサービスの付加価値が低いことが分かります。

4.ボトリング事業のフランチャイズ

KOはこの利益率の低い事業をフランチャイズ化して利益率を高めようとしています。フランチャイズとは第三者にブランド使用のライセンスを与えて販売を担ってもらうことを差します。売上の低下はこの影響ということですね。ボトリングや販売など費用の掛かる割に利益の取れない事業を本体から切り離し第三者に費用を負担してもらいつつ拡販することで利益率は高まります。要は圧倒的なブランド力を生かして付加価値の低いことは第三者に任せて本体は付加価値の高い事業を中心に行っていくという意思がこのボトリング事業のフランチャイズ化に秘められているのです。

5.まとめ

収益性のみを分析するとここ数年売上が低下してきていて一抹の不安を覚えるKOですが、費用率の高い低付加価値の事業を第三者に切り出すというフランチャイズ戦略を推進している背景があるということが分かりました。KOは50年以上の連続増配を続けている銘柄ですが、これは高い利益率に支えられているものです。ここ数年売上は低下しているもののボトリング事業のフランチャイズ化という緻密な戦略を見ると今後も高い利益率を維持しながら増配を60年100年と続けていってもらえると確信します!

 

 

上記はあくまで個人の考えになりますので投資はあくまで自己判断でお願いします。