ノミの投資家奮闘記

ノミの投資家奮闘記

サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

コカ・コーラの売上が落ちている理由

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

貿易戦争激化の影響で5月の相場は世界的に下落しましたね。ノミの投資家のポートフォリオも含み益が雀の涙ほどに減少しました!ま、株価の下落なんて全く気にしてないですけどね!重要なのは株価が下落したときでも安心してバーゲンセールと思って買い増せる銘柄を保有していることです。それほど信頼に足る銘柄を選ぶこと、それが長期投資の神髄です。

そんなノミの投資家のポートフォリオでも比較的大きなポーションを占めている銘柄のコカ・コーラ(KO)についてちょっと気になったことがあったので調べてみました。

 1.コカ・コーラの収益性

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コカ・コーラ(KO)の収益性ですが、とにかく目に付くのが営業利益率の高さです。2018年はなんと31%です!!!これはライバルのペプシコ(PEP)の16%と比べて2倍、日本の代表銘柄キリンHDの10%と比べて3倍ですので、KOの稼ぐ力がいかに驚異的かが分かります。創業100年を超える企業で創業当時から変わらぬ製品をこれほどの高い利益率で売りまくるKOは本当に素晴らしいの一言ですね。

そんなKOですが、気になる点があります。それは売上の減少です。2012年には480億ドル弱あった売上が減少の一途をたどり、2018年には320億ドルまで減少してしまっています。これは株主としては気になるところですね。その背景について調べてみました。

2.コカ・コーラの事業ポートフォリオ

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こちらがKOのポートフォリオですが、やはりコーラ・スプライト・ファンタなどの炭酸飲料が売上の7割弱を占めており事業の中核となっています。他にもTea&Coffeeの事業も大きく、日本の綾鷹ジョージアなども売上に大きく貢献しているんですね。Monsterなど人気のエジードリンクもKOが持っている事業です。

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https://www.coca-colacompany.com/investors

そんなKOの事業ですが変革の時期を迎えているようです。2015年は売上は440億ドルの半分以上はBottling Investments Groupという事業でしたが2018年はこれを1/8程度まで減らし、同事業の従業員も104千人から26千人と1/4程度まで減らしています。事業変革のメインにもアセットライトとボトリング事業をパートナーにフランチャイズするという記述がありますので、KOがこのボトリング事業を軽量化したという狙いが見て取れます。ではそのボトリング事業とは何でしょう?

3.ボトリング事業とは?

 ボトリング事業というのは読んで字の如く瓶詰め事業です。KOの大半は清涼飲料販売ですが、飲料を販売しようとすると当然瓶詰めが必要になります。ボトリング事業はその瓶詰めと各国での販売事業を担うものですが、なんといってもこの利益率が引くいんですね。こちらをご覧ください。

 

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 こちらはCoca Cola Consolidated Inc(COKE)というKOの子会社でボトリングと販売を担う会社ですが、営業利益率は5%以下の事業です。瓶詰めと販売は行っている事業の付加価値に比べ設備維持と販売網維持のための費用が多大にかかる事業なんですね。近年の売上高増は単価値上げによるものですがそれに伴い営業利益率が低下していますから製品付加価値に比べサービスの付加価値が低いことが分かります。

4.ボトリング事業のフランチャイズ

KOはこの利益率の低い事業をフランチャイズ化して利益率を高めようとしています。フランチャイズとは第三者にブランド使用のライセンスを与えて販売を担ってもらうことを差します。売上の低下はこの影響ということですね。ボトリングや販売など費用の掛かる割に利益の取れない事業を本体から切り離し第三者に費用を負担してもらいつつ拡販することで利益率は高まります。要は圧倒的なブランド力を生かして付加価値の低いことは第三者に任せて本体は付加価値の高い事業を中心に行っていくという意思がこのボトリング事業のフランチャイズ化に秘められているのです。

5.まとめ

収益性のみを分析するとここ数年売上が低下してきていて一抹の不安を覚えるKOですが、費用率の高い低付加価値の事業を第三者に切り出すというフランチャイズ戦略を推進している背景があるということが分かりました。KOは50年以上の連続増配を続けている銘柄ですが、これは高い利益率に支えられているものです。ここ数年売上は低下しているもののボトリング事業のフランチャイズ化という緻密な戦略を見ると今後も高い利益率を維持しながら増配を60年100年と続けていってもらえると確信します!

 

 

上記はあくまで個人の考えになりますので投資はあくまで自己判断でお願いします。

5月の配当受取は100ドル超え!

こんにちは!ノミの投資家です。

 

5月受取予定の配当が全て入金されましたが、今月はついに合計100ドルを超えました!先月までは数十ドルでしたが、やっぱり100ドル超えるとちょっと達成感ありますね!月100ドルって給料を手取りベースでこれぐらい伸ばそうと思ったら2年ぐらいかかりますからね。これが今後500ドル、1000ドルとどんどん節目を超えていけるように頑張りたいと思います^^

 

ということで、以下これまでの受取配当についての履歴になります。

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5月は5銘柄から配当を受け取りました!本当は4月に受け取る予定だったMOが5月に遅れてしまったため5月受取が多くなりました;;でもやっぱり米国株やっててうれしいのは毎月配当が受け取れるってところですね!まだまだ少ないですが、これは日本株ではなかなか味わえない喜びです 笑 

 

以下が一年間の配当受取月になりますが、来月はD、RDS、PFEなどNISA口座枠の銘柄からの配当が多く入りますので楽しみです!

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Vodafone 40%減配について財務分析

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

今年は買付けが全て完了しあとは配当入金を待って追加するかどうか考えるだけとなってしまい少々退屈しているこのごろです。そんな中、英国ADR屈指の高配当銘柄であるボーダフォン(VOD)40%の減配を行ったようで、VODは私も配当率に魅せられて一度検討したことがあったので、ちょっと記事を書きたいと思います。記事を書くといっても得意の財務分析で、VODが一体どのような財務状態だったのかを同業他社のAT&T(T)と比較して分析したいと思います。

1.Vodafoneとは

ボーダフォン・グループ: Vodafone Group Plc)は、イギリスに本社を置く世界最大の多国籍携帯電話事業会社である。2006年6月における市場価値は1340億ドル。1985年1月創業。Vodafoneは現在26か国に子会社があり、33か国以上にパートナーネットワークが存在する。社名の由来はVoice Data FONE (PHONE) に由来する。2012年にケーブル・アンド・ワイヤレスを買収した。

ボーダフォン - Wikipedia

Vodafoneはイギリスの携帯キャリアで多国籍に展開している企業ですが、30代以上の方はご存知と思いますが、実は日本でも2001年にJ-phoneを傘下に収めた後、2003年から2006年にソフトバンクに売却するまでの間Vodafoneブランドが存在していました。ノミの投資家も当時J-phoneVodafoneをキャリアとして使っていました。

2018年の一株あたり配当は1.17$でADRの株価約17ドル(19/5/15時点)に対して配当率が驚異の10%となっていました。日本でも馴染みのある企業でもあり、さらにこの高配当率につられて購入を検討もしくは購入された方も多いのではないでしょうか。

しかし、この度19年3月期の決算で赤字転落しさらに配当を40%減配すると発表しました。かなり経営的に苦しいと見られますが、実際に財務状況がどのようになっていたのかを見ていきたいと思います。

 英携帯電話サービス大手ボーダフォンは13日、2019年3月期の純損失が76億4,400万ユーロとなり、前期の27億8,800万ユーロの黒字から赤字に転落したと発表した。インド子会社と地場同業アイデアセルラーの事業統合に絡む減損処理が響いた。
 売上高は6.2%減の436億6,600万ユーロ。うち大半を占めるサービス収入は392億2,000万ユーロと継続事業・恒常為替レートベースで0.9%減っている。これを地域別に見ると、全体の7割以上を稼ぐ欧州は2.5%減少。中でもスペインが6.4%縮小し、イタリアは5.9%、英国は5.1%それぞれ落ち込んだ。半面、ドイツは0.5%のプラスを確保した。欧州以外の地域は6.1%増えている

【英国】ボーダフォン、通期は赤字転落(NNA) - Yahoo!ニュース

www.theregister.co.uk

2.収益性分析

まずは収益性です。ノミの投資家が考える収益性のポイントは2つで、売上と営業利益率です。売上は商品の販売力・供給力を見る指標、営業利益率は製品力と営業効率を見る指標です。

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 こちらはTの収益です。売り上げは緩やかに右肩上がり、営業利益率は2010~14年までは若干不安定でしたが、15年以降は15%近辺で安定してきています。ここ5年ほどは売上と営業利益ともに伸ばせており健全に事業拡大できていることが伺えます。この営業利益率15%というのは、日本のdocomoKDDIが20%程度なのでさほど高くはない水準です。(日本のキャリアが儲け過ぎだと思いますが、、)

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一方こちらはVODです。売上高は右肩下がり、そして営業利益率は1桁台とここ数年は非常に厳しい状況です。16,17年は最終赤字、18年は黒字転換できたものの、今回19年決算で再び赤字転落するという流れですので収益性の改善ができていない状態が続いていることが伺えます。かつては営業利益率を15~20%稼げていたのを見ると2013年以降に何らか事業の構造が大きく変化し、その後から苦境が続いていると考えられます。

3.キャッシュフロー分析

キャッシュフローは実際のお金の出入り実績になるので、費用の調整や在庫のやりくりなど多少お化粧のできる収益とは違い誤魔化しの効かない指標になります。

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まずはTのキャッシュフローです。携帯キャリアなので基地局などの設備投資やメンテナンス等に投資がある程度必要となりますが、営業CFが強くフリーCFを十分に生み出せています。営業CFマージンも25%程度と言うことなしです。

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こちらはVODのキャッシュフローです。2013~2016年までは営業CFの低下と投資増によりフリーCFがほとんど無い状態でしたが、17年以降は投資額も減りフリーCFを確保できる状態に回復しています。営業CFも29%と意外にも売上が減少している割にキャッシュは生み出せている状況です。

4.配当性分析

次に配当性を見ていきます。配当は長期投資家の精神安定剤であり資産増のための起爆剤になりますので非常に重要です。T、VOD一気に見てみましょう。

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TのEPSですが決して安定的とは言えませんが基本的には一株配当以上を確保できており安定的に増配も続けているので配当で株主還元するという明確な意思を伺えます。BPSも右肩上がりです。一方VODはEPSが致命的にに安定しておらずEPSが下がれば減配もされるため一株配当が全く安定していません。絶対的にそもそもの営業利益が低いことが原因です。またBPSも右肩下がりのため一株あたりの価値がどんどん減少しているということになります。これを見るだけでもVODに配当狙いで長期投資することのリスクの高さが分かります。

5.バランスシート分析

次にバランスシートで資産の動きをチェックします。

まずは負債の部です。

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Tの自己資本比率は30~35%で推移していますが、2014年以降は徐々に増加傾向で財務体質は改善方向です。自己資本比率の30%程度というのは高くはないですが、安定的に利益を稼げる状況なので負債比率が多少高くても問題ありません。一方VODは自己資本比率が高く50%程度で推移しており財務は健全ですが、14年以降は徐々に減少傾向です。

 

続いて資産の部です。

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Tの資産は2015年以降無形資産が大幅に増加していますが、これは恐らく企業買収によるのれん(のれん (会計) - Wikipedia)になると思われます。一方VODは流動資産が増加、無形資産が減少の傾向です。これは過去買収した企業ののれん償却が進みつつフリーCFを内部留保していっていると考えられます。これ自体は極普通のことなので特に問題はないですが、稼いだ現金は株主に還元せず内部留保してしまっているという点で株主還元に対する姿勢が見て取れます。

6.まとめ

以上のように財務状況を見るとVODは増配はおろか配当を維持するのも厳しい状態であったのが分かります。事業内容は分からなくとも財務状況を見るだけで投資不可の判断ができるんです(結果論ですが、、)。減配は配当再投資家にとっては配当減少と株価下落のダブルパンチを食らうので絶対に避けなければならない事態です。と、いろいろ偉そうに財務分析しましたが、実はノミの投資家はVODは携帯通信キャリアであることぐらいしか事業内容は知りません。

 

ノミの投資家は銘柄を選ぶ際、実は事業内容はあまり見ていません。大手有名企業か?どんなものを売ってるのか?ぐらいは見ますが、判断のほとんどは財務分析を拠り所にしています。極端に言えば事業の将来性や儲かるかどうか、地域ポートフォリオは盤石か、その技術は競争力があるかどうかなどは、その業界人や専門家でなければ素人ではよく分からず、素人目線で事業分析していくとミスジャッジをする可能性があります。事業がうまくいっているのか儲かるか否かは全て実績に現れてきますので、私は財務分析を最重要視しています。財務状況がしっかり読み込めればその銘柄が長期投資をするに足る銘柄かどうかが見えてくると思います。これからも財務分析をしっかり行い信頼のおける銘柄と出会えるように日々精進していきたいと思います。

 

上記は個人の考えになりますので、投資はあくまで自己判断でお願いします。

 

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ロイヤルダッチシェルとファイザーを追加購入しました!

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こんにちは!ノミの投資家です。

トランプさんがまた関税バズーカを放って米中貿易戦争再激化!って感じで世の中リスクオフの動きでダウ、日経平均ともに5月に入ってだいぶ下げましたね。長期投資且つ配当再投資派のノミの投資家はこのような世の中の騒動を、あ~またやってるなと客観的な目線で見ています。配当狙いの投資家にとって重要なのは、多少株価が下がったところで配当は裏切らない!というところです。株価の上げ下げは読めません、寧ろこのような下げ相場は安く買えるチャンスと捉えて積極的に買い増ししていくことが重要と思います。

 

そんなこんなで、NISA枠が20万円分残っていたので相場の混乱に乗じてファイザー(PFE)とロイヤルダッチシェル(RDS B)を買い増ししました!

2銘柄とも多少株価が下落した5/7にそれぞれ、PFE 40.99$で21株、RDS B 64.91$で15株買い付けました。

これで今年のNISA枠は全部使い切りましたので今年の買い付けは完了とします!来年にNISA枠が復活したらまた買い増ししていきたいと思います。

 

今のところのポートフォリオは以下のようになっています。

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ここ最近の株価下落により評価損益は1,632$まで目減りしました。損益率も一時は10%を超えていましたが半分の5%まで下がりましたね。一方枚数を増やしたので年間配当は1,662$(税引前)となり一回買付け1ショット分ぐらいには積みあがってきています!ポートフォリオ構成比はタバコ銘柄が合計31%まで減少してヘルスケアが20%まで上がってきました。今後は極力構成比の小さい銘柄を買い増ししつつバランスを取っていきたいと思います。

 

今年の買い付けが完了してしまいあとは配当をもらうのを待つだけの状態になってしまいちょっと退屈になってしまいましたが、配当再投資家をやる以上仕方ないことです。

今後も淡々と投資を続けていきたいと思います!

 

 

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日本の総合商社 財務分析してみました!

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こんにちは!ノミの投資家です。

米国株はGWの最後に対中関税引き上げのトランプバズーカを撃ち込まれて年初から続いてきたアゲアゲ相場に水を差されましたね。私の銘柄も多少下落を食らいましたが、そもそも米中貿易戦争なんて大して関係ない銘柄を買ってますので傍観するのみです!

 

さて、今回はちょっと趣向を変えまして日本株の財務分析をしてみました!日本銘柄は長期で保有するつもりはないのでシリーズにするつもりはないですが、いつも米国株ばっかり考えているのでちょっと息抜きとして高配当業界筆頭の商社銘柄を比較してみました。比較する銘柄は上位4社の三菱商事三井物産住友商事伊藤忠です。

 データのソースはMorningstarのADR基準です。

Morningstar | Independent Investment Research

 

1.収益性分析

まずはいつもの通り事業の規模や儲ける力を見るため、収益性の分析からです。

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売上規模は商事が頭一つ抜けており7兆円を超えており、伊藤忠の5.5兆円、物産・住商の4.9兆と続いていますが、住商は2013年ごろより安定的に売り上げを伸ばしてきています。物産は2014年をピークに下降気味で、恐らくポートフォリオで資源依存度が高い点で原油価格下落の影響を受けているものと思われます。

営業利益率では、こちらも商事が7%とトップ、伊藤忠6%、住商5%、物産4%です。ここでも物産は資源価格下落の影響を一番受けていることが伺えます。トップの商事は2016年に営利率1%まで落ち込んだものの17年よりV字回復させていますので16年の資源価格暴落から事業ポートフォリオをうまく変化させて対応できたことが伺えます。伊藤忠は5~6%と安定的な収益を維持しています。

一方で純利益を見ると営業利益額とほとんど変わらないかそれを上回っている年もありますが、これは商社が持ち株の評価益や為替益などの規模がかなり大きいことを示しています。

これまで米国株の分析で営利率20%とかが当たり前だったので営利率一桁台は非常に低く見えてしまいますね、、、商社銘柄が規模の割にPERが常に低めなのはこのような利益率の低さと資源価格の影響を受けやすいというリスクを反映しているものと思われます。

 

2.キャッシュフロー分析

次にお金を取り込む力がどれだけあるかを計るキャッシュフロー分析です。

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 4社とも営業CFはプラスで推移しており良いと言えます。フリーCFも伊藤忠以外は2013~14年ごろは厳しい状況でしたがここ数年はどこもプラスとなっており株主に還元するための資金はある状況と思われます。CFの安定感で言えば伊藤忠が一番安定しており相対的に一番リスクが低いと言えます。

商事、物産、住商は比較的に投資額が大きくキャッシュを圧迫していますがあここ3年程は投資額を抑えられており、もともと資源に莫大な資金を投入していた事業構造が改革されてきていると思われます。

3.配当性分析

次に投資家にとって一番重要な配当性についてです。

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配当金については非常に4社とも非常に不安定です。EPSが下がると減配も頻繁に起きます。配当率は4~5%と高い配当率を誇る商社ですが、連続増配銘柄の米国株ばかり見ていると、配当再投資スタイルの投資家にとってはこのような配当金が安定しない銘柄は全く魅力的に見えてきませんね、、、唯一住商だけは比較的安定的に配当を出しており、EPSが大きく下がっても配当を維持しようとしているのが伺えます。

ここで発行済株式数を見てみます。

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株式数は住商以外がここ数年大きく減らしてきており、自社株買いを積極的に行っています。住商は自社株買いはあまりせずに配当で株主還元を行うスタイル、その他3社は自社株買いで株主還元するということが分かりますね。

4.バランスシート分析

最後にバランスシートを見ていきます。

【資産の部】

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【負債の部】 

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4社とも自己資本比率を徐々に増やしてきており財務的には年々改善してきています。前述したように商事、物産、伊藤忠は自己株買いにより純資産を増やしていきています。ただ4社とも自己資本比率は30~35%なのであまり高くはありませんが、CFは稼げているので有利子負債でレバをかけて事業拡大していく循環が維持できていると言えます。

5.まとめ

財務状況は4社とも良好と思われますが、配当性を見ると配当再投資で長期複利を狙う投資家にとってはあまり魅力的な投資先には見えないですね。ただ、商事・物産・伊藤忠は自己株買いには積極的なのでキャピタルゲイン的な考え方なら投資する価値はあるかもしれません。ノミの投資家は俄然配当再投資スタイルなのでやはり米国高配当銘柄狙いで今後も継続していきたいと思います。

 

上記分析はあくまで個人の見解ですので、投資は自己判断でお願いします。

 

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4月までの実績まとめ

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こんにちは!ノミの投資家です。

 

長かった今年のGWも終盤に差し掛かりそろそろ現実に戻るために心の準備をしないといけない時間帯に入りましたね。昔はこうゆう時間が死ぬほど嫌だったのですが、最近は会社でも暇人なので寧ろGWでの子供の世話疲れを会社で癒したくもなります。(これでも私30代前半ですがサラリーマンなんてそんなもんです)

さて、月も替わりましたので4月までの実績をまとめたいと思います。

 1.ポートフォリオ

まずはポートフォリオからです。以下時価総額の順位で表示します。

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取得額が元々大きかったPMとMOのタバコ銘柄が相変わらずNo.1,2を独占していますが、ここにきて19年1Qで好決算を発表したPEPとKOが時価総額を伸ばしており2つで1/4弱を占めるまでに成長してきています。PEPとKOは配当率が3%台半ばとやや低めなのがたまに傷ですが共に増配継続が期待できるので今後の伸びに期待したいですね。頼れる銘柄です。

 また、前回の3月のポートフォリオから変化点はBTI、RDS、PFE、Dを新規購入した点です!BTIとRDSは高配当ADR銘柄として配当のベースアップのために追加しました。PFEとDについては以下過去の記事で財務分析しましたが、ヘルスケアと電力銘柄の代表格として新たにファミリーに追加しました!

このポートフォリオで評価損益は3月とほぼ変わらず2,100ドルの含み益で利益率は若干下がって6.8%、期待できる年間配当は1,500ドル(税引前)を超えました!

nomiinvestor.hatenablog.com
nomiinvestor.hatenablog.com

2.配当

次に配当についてです。配当は私の投資目的の神髄です。

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上の表は配当月になります。ポートフォリオに新たD、BTI、RDS、PEFを加えたことで配当受け取り月が1年間に渡り満遍なく分散され、もともと受取の少なかった3,6,9,12月分も高配当銘柄を新たに加えたことで受け取れる額がかなり増えそうなので今後が楽しみですね!f:id:nomiinvestor:20190504182243p:plain

3月の受取配当実績(税引後)はJNJのたった6.48ドルのみだったのですが、4月はPM・KO・PEPから90.85ドルを受け取りました!MOの配当が4/30付けだったのですが、残念ながら日本が長期休暇の影響でまだ振り込まれていませんので5月実績分に繰り越したいと思います。

3.まとめ

最後に総資産になります。

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 投入金額は3万ドルを超え、時価総額は3.3万ドルに達しました!株価の上昇は2~3月のときほどの勢いはなくなりましたが順調に時価総額も増えつつ配当も受け取っていますので総資産は増えております。まだまだ配当→再投資できるほど受け取れてはいませんが、今年一年しっかり配当を受け取れば来年以降は再投資できるレベルで積みあがってくると思いますので、今後も地道に続けていきたいと思います!!

 

 

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米国株高配当 電力銘柄の財務比較をやってみました(D, DUK, SO, NGG)

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こんにちは!ノミの投資家です。

高配当銘柄の財務分析やってみましたシリーズ第2弾は「電力銘柄」です!

アメリカの電力会社は高配当+増配銘柄が多数あり、その中でも米国株長期投資家の人気が高いドミニオンエナジー(D)、デュークエナジー(DUK)、サザン(SO)、ナショナルグリッド(NGG)の比較をやってみました!なお、NGGはイギリスの電力会社でADR銘柄になります。今回も財務の比較のみで事業分析は含まれていません。

1.収益性分析

まずは銘柄分析の基本である収益性分析からです。(すみません、NGGの金額は全てGBPになります!)

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ノミの投資家が考える収益性分析で見るべきポイントは売上高と営業利益率です。売上高は販売力の指標、営業利益率は営業活動に対しどれだけ費用をかけて利益を残しているかの営業効率の指標です。純利益ももちろん重要ですが、純利益はそのときどきの為替損益や資産評価損益、特損などの要素が入ってくるため異常値でない限りはあまり気にしていません。企業として営業、販売活動などが順調に行えていて、ちゃんと儲かっているか?を見るためには売上高と営業利益を見ればいいのです。

売上高についてはDとSOが2015ごろより右肩上がりに上がっています。DUKは2013年ごろに一気に伸びたあとはほぼ横ばい。NGGは10年前よりほとんど変わらない状態です。売上規模はDUKとSOが20~25百万ドル、Dが約13百万ドル程度ですが、日本最大規模の東京電力は約53百万ドルなので東電の半分弱程度の規模だということが分かります。日本の電力会社より規模が小さいなんて大したことないなと思ってしまいますが、驚くのはその収益力です。東電の営業利益はたった5%程度ですが、この4銘柄の営業利益が概ね20%を超えています。収益力の高い関電でも7%程度ですので、協力な稼ぐ力を持った事業を展開しているのが分かります。

営業利益を見るとDは18年こそ27%ですが15~17年は脅威の30%を超えていました。DUKは20%前後を安定的に推移。SOは17年に一気に23%→11%に低下し18年に18%まで回復していますが、17年から売上が一気に伸びているので恐らく何らかの事業を買収などの事業構造に変化があったと思われます。

2.キャッシュフロー分析

次にキャッシュフローを見ていきます。。(すみません、こちらもNGGは全てGBPになります!)

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 ノミの投資家が考える見るべきポイントは営業CFとフリーCFです。営業CFは営業活動行う中でちゃんとキャッシュが生み出される仕組みになっているか?を見る指標、フリーCFは営業で生み出したお金を投資などに回して尚お金が余っているか?を見る指標で、お金の出入り実績なので誤魔化しの利かない本当の意味での稼ぐ力の指標になります。

電力会社はメンテナンスや設備の増設など多大な設備投資がかかるため営業で稼いだCFの大半を投資に回しています。これは4銘柄どれも同じような結果でした。営業CFマージンについては4銘柄とも30%程度と非常に優秀な成績を収めています。日本で一番高収益の関電ですら20%に満たないので、この4銘柄がどれだけ現金を稼ぐ力が強いかが分かります。Dが35%と頭一つ抜けていますが、SOも16年以降伸びてきていますが、4銘柄とも今後も安定して稼いでいくものと思われます。

3.配当性分析

 

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  続増
D 10年 4.90%
DUK 12年 4.16%
SO 17年 4.77%
NGG 1年 5.87%

 D、DUK、SOは10年以上増配を続ける増配銘柄です。配当率も4%を超えており(19/4/22現在)高配当です。増配率はDが頭一つ抜けており18年は前年比9%の増配を記録、EPSも増加傾向です。SOは17年の利益率の低下でEPSが一時的に凹みましたが18年には回復しています。DUKはここ3年程増配率が増加傾向となっています。一方配当性向を見てみるとSO、NGGは90%を超えておりDUKも88%と余力がほとんどないことが分かります。残ったキャッシュをほとんど配当に回していますね。その点、Dは68%とまだ余裕のある水準で、さらにBPSが15年より増加傾向です。NGGは18年にBPSが大きく伸びていますが、配当についてはGBP建てでも減配しているので連続増配銘柄とは言えない状態ですね。

4.自己資本分析

次に自己資本がどのようになっているか見てみます。

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4銘柄とも自己資本率が30%程度と、基本的に借金体質の会社ですが安定して推移しています。キャッシュを安定して稼げており営業利益率も高いのである程度の負債はレバとして事業に貢献していると思われます。DとNGGのみ自己資本比率がここ最近増加傾向です。

ここで発行済み株式数を見てみます。

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Dは12年以降右肩上がりで株式を追加発行しています。この増資(ワラント)は株の枚数が増えることで一株当たりの利益が希薄化するので株主にとっては短期的にはあまり良いこととは言えません。DのBPSが13年以降右肩上がりなのはこの増資のおかげということですね。ただ、DはEPSも14年以降順調に伸ばしてきており増配も年々増加していますので、この増資が有効に使われて事業をより良い方向に導いているものと思われます。一方NGGは増資をせずに自己資本比率を伸ばしており、17・18年は減配しているので利益の内部留保を増加させているのが分かります。SOもここ3年は増資をしていますがこれは恐らく17年前後に買収等の構造改革の際の原資となっていると思われます。

5.まとめ

電力4銘柄を比較してみましたが、どれも安定した収益を上げており配当率も高く投資対象としては魅力的です。ただ強いて言うならインカムゲインキャピタルゲイン両方を狙える勢いを感じる銘柄は、やはりDですね。増資はしていますが売上、利益増のために投資を積極的に行っていて事業として着実に拡大しており、配当に対する姿勢も株主としては嬉しいところです。DUKは全ての財務値が非常に安定しているものの事業的に買収などの変化がないと配当の伸びは頭打ちになると思われます。SOは16年以降の売上・利益・CFが右肩上がりなので今後の伸びに期待できます。NGGについては配当率は高いものの配当性向が非常高く減配リスクもあることから投資対象としては外したいですね。電力銘柄は事業として原発、山火事などのリスクを抱えているため、ノミの投資家としては投資するとしたら分散したいと思いますが、今回分析した銘柄でみるとDとSOに分散投資するのが良いのかなと思います。

 

※この分析はあくまで個人の考えになりますので投資は自己判断でお願いします。

 

 

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