ノミの投資家奮闘記

ノミの投資家奮闘記

サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

米国株高配当 電力銘柄の財務比較をやってみました(D, DUK, SO, NGG)

f:id:nomiinvestor:20190422214041p:plain

こんにちは!ノミの投資家です。

高配当銘柄の財務分析やってみましたシリーズ第2弾は「電力銘柄」です!

アメリカの電力会社は高配当+増配銘柄が多数あり、その中でも米国株長期投資家の人気が高いドミニオンエナジー(D)、デュークエナジー(DUK)、サザン(SO)、ナショナルグリッド(NGG)の比較をやってみました!なお、NGGはイギリスの電力会社でADR銘柄になります。今回も財務の比較のみで事業分析は含まれていません。

1.収益性分析

まずは銘柄分析の基本である収益性分析からです。(すみません、NGGの金額は全てGBPになります!)

f:id:nomiinvestor:20190422214556p:plain

ノミの投資家が考える収益性分析で見るべきポイントは売上高と営業利益率です。売上高は販売力の指標、営業利益率は営業活動に対しどれだけ費用をかけて利益を残しているかの営業効率の指標です。純利益ももちろん重要ですが、純利益はそのときどきの為替損益や資産評価損益、特損などの要素が入ってくるため異常値でない限りはあまり気にしていません。企業として営業、販売活動などが順調に行えていて、ちゃんと儲かっているか?を見るためには売上高と営業利益を見ればいいのです。

売上高についてはDとSOが2015ごろより右肩上がりに上がっています。DUKは2013年ごろに一気に伸びたあとはほぼ横ばい。NGGは10年前よりほとんど変わらない状態です。売上規模はDUKとSOが20~25百万ドル、Dが約13百万ドル程度ですが、日本最大規模の東京電力は約53百万ドルなので東電の半分弱程度の規模だということが分かります。日本の電力会社より規模が小さいなんて大したことないなと思ってしまいますが、驚くのはその収益力です。東電の営業利益はたった5%程度ですが、この4銘柄の営業利益が概ね20%を超えています。収益力の高い関電でも7%程度ですので、協力な稼ぐ力を持った事業を展開しているのが分かります。

営業利益を見るとDは18年こそ27%ですが15~17年は脅威の30%を超えていました。DUKは20%前後を安定的に推移。SOは17年に一気に23%→11%に低下し18年に18%まで回復していますが、17年から売上が一気に伸びているので恐らく何らかの事業を買収などの事業構造に変化があったと思われます。

2.キャッシュフロー分析

次にキャッシュフローを見ていきます。。(すみません、こちらもNGGは全てGBPになります!)

f:id:nomiinvestor:20190422222837p:plain

 ノミの投資家が考える見るべきポイントは営業CFとフリーCFです。営業CFは営業活動行う中でちゃんとキャッシュが生み出される仕組みになっているか?を見る指標、フリーCFは営業で生み出したお金を投資などに回して尚お金が余っているか?を見る指標で、お金の出入り実績なので誤魔化しの利かない本当の意味での稼ぐ力の指標になります。

電力会社はメンテナンスや設備の増設など多大な設備投資がかかるため営業で稼いだCFの大半を投資に回しています。これは4銘柄どれも同じような結果でした。営業CFマージンについては4銘柄とも30%程度と非常に優秀な成績を収めています。日本で一番高収益の関電ですら20%に満たないので、この4銘柄がどれだけ現金を稼ぐ力が強いかが分かります。Dが35%と頭一つ抜けていますが、SOも16年以降伸びてきていますが、4銘柄とも今後も安定して稼いでいくものと思われます。

3.配当性分析

 

f:id:nomiinvestor:20190422224932p:plain

f:id:nomiinvestor:20190422224951p:plain

  続増
D 10年 4.90%
DUK 12年 4.16%
SO 17年 4.77%
NGG 1年 5.87%

 D、DUK、SOは10年以上増配を続ける増配銘柄です。配当率も4%を超えており(19/4/22現在)高配当です。増配率はDが頭一つ抜けており18年は前年比9%の増配を記録、EPSも増加傾向です。SOは17年の利益率の低下でEPSが一時的に凹みましたが18年には回復しています。DUKはここ3年程増配率が増加傾向となっています。一方配当性向を見てみるとSO、NGGは90%を超えておりDUKも88%と余力がほとんどないことが分かります。残ったキャッシュをほとんど配当に回していますね。その点、Dは68%とまだ余裕のある水準で、さらにBPSが15年より増加傾向です。NGGは18年にBPSが大きく伸びていますが、配当についてはGBP建てでも減配しているので連続増配銘柄とは言えない状態ですね。

4.自己資本分析

次に自己資本がどのようになっているか見てみます。

f:id:nomiinvestor:20190422230018p:plain

4銘柄とも自己資本率が30%程度と、基本的に借金体質の会社ですが安定して推移しています。キャッシュを安定して稼げており営業利益率も高いのである程度の負債はレバとして事業に貢献していると思われます。DとNGGのみ自己資本比率がここ最近増加傾向です。

ここで発行済み株式数を見てみます。

f:id:nomiinvestor:20190422230526p:plain

Dは12年以降右肩上がりで株式を追加発行しています。この増資(ワラント)は株の枚数が増えることで一株当たりの利益が希薄化するので株主にとっては短期的にはあまり良いこととは言えません。DのBPSが13年以降右肩上がりなのはこの増資のおかげということですね。ただ、DはEPSも14年以降順調に伸ばしてきており増配も年々増加していますので、この増資が有効に使われて事業をより良い方向に導いているものと思われます。一方NGGは増資をせずに自己資本比率を伸ばしており、17・18年は減配しているので利益の内部留保を増加させているのが分かります。SOもここ3年は増資をしていますがこれは恐らく17年前後に買収等の構造改革の際の原資となっていると思われます。

5.まとめ

電力4銘柄を比較してみましたが、どれも安定した収益を上げており配当率も高く投資対象としては魅力的です。ただ強いて言うならインカムゲインキャピタルゲイン両方を狙える勢いを感じる銘柄は、やはりDですね。増資はしていますが売上、利益増のために投資を積極的に行っていて事業として着実に拡大しており、配当に対する姿勢も株主としては嬉しいところです。DUKは全ての財務値が非常に安定しているものの事業的に買収などの変化がないと配当の伸びは頭打ちになると思われます。SOは16年以降の売上・利益・CFが右肩上がりなので今後の伸びに期待できます。NGGについては配当率は高いものの配当性向が非常高く減配リスクもあることから投資対象としては外したいですね。電力銘柄は事業として原発、山火事などのリスクを抱えているため、ノミの投資家としては投資するとしたら分散したいと思いますが、今回分析した銘柄でみるとDとSOに分散投資するのが良いのかなと思います。

 

※この分析はあくまで個人の考えになりますので投資は自己判断でお願いします。

 

 

↓こちらの書籍で米国株の良さを勉強しました! 

トレードステーション選んでもらえる3点タイアップキャンペーン【PerfectOrder ストラテジー】
トレードステーション選んでもらえる3点タイアップキャンペーン【PerfectOrder ストラテジー】
トレードステーション選んでもらえる3点タイアップキャンペーン【PerfectOrder ストラテジー】?|?fx-on.com