ノミの投資家奮闘記

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サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

米国株高配当 ヘルスケア銘柄の財務比較をやってみました (PFE, JNJ, BMY, ABBV)

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こんにちは!ノミの投資家です。

3月末から家族の都合やら仕事が忙しくて全然ブログ更新する時間がありませんでした、、、久しぶりのブログ更新になりますが、今回のテーマは財務諸表の比較です!

財務分析は長期投資家にとっては必須作業になりますが、今回はポートフォリオに追加しようと思っているヘルスケアセクターの有力銘柄の比較をしてみたいと思います。

比較する銘柄はファイザー(PFE)、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)、ブリストルマイヤーズスクイブ(BMY)、アッヴィ(ABBV)の4銘柄です。事業分析は無しで、純粋に財務の数値のみの分析になります。

 

1.収益性分析

まずは財務分析の基本となるP/Lの比較になります。f:id:nomiinvestor:20190411222646p:plain

 P/Lで注目すべきは何といっても売上高と営業利益です。売上は販売力の指標、営業利益は販売効率の指標になります。PFEとJNJは売上、営利ともに非常に安定して稼いでいます。営業利益率は25~28%で安定して推移しており、同業の武田薬品の13%と比べると文句のつけようのない利益率を誇っています。対してBMYは2015年に営利率10%まで減少しましたがここ3年ほどは売上とともに回復して18年は23%となっています。ABBVは売上こそここ10年は安定的に伸長してきていますが、営利率が安定していません。ただ、営利率が高い年は30%台後半をマークする年もあり利益率のベース自体は非常に高いです。

長期投資の目線で見るとPFEとJNJが一歩も二歩も頭抜けていますね。

2.キャッシュフロー分析

次にキャッシュフローについて見ていきます。

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キャッシュフローは字の通りお金の回し方になります。P/Lは売掛金や費用計上のタイミングや工夫で多少お化粧ができるのですが、キャッシュフローは実際のお金の出入りの実績になるので良く見せる工夫が難しいことからその企業の本当のお金を稼ぐ力の指標として非常に重要です。中でも重要なのが営業CFと営業CFマージンです。

4社とも投資額に対し営業CFが大きくフリーCFが潤沢なのが分かります。ここでもPFEとJNJは2010年以降抜群の安定感を誇っています。BMYは15年に利益率の落ち込みからCFも大きく悪化しましたが16年以降は回復しています。ABBVは営業CFマージンが18年は41%と脅威的に稼いでいます。14年に悪化したものの基本的にはCFが右肩上がりに増えており、投資も4社の中では一番少なく非常に効率的にお金稼げているといえます。

3.配当性分析

次に高配当銘柄投資家にとっては一番重要な配当についての分析です。

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  続増
PFE 9年 3.66%
JNJ 56年 2.63%
BMY 9年 3.60%
ABBV 46年 5.52%

 EPS(一株当たり利益)、DPS(一株当たり配当)、増配率、BPS(一株当たり純資産)、配当性向%の数値を並べました。09年は前年データを入れてないので増配率が0%からのスタートとなっています。

09年以降4銘柄で唯一減配をしたのはPFEの-2010年の-10%になります。この減配は非常に残念です!!ただ翌年には配当額は元に戻ってますので本当に一時的な現象だったようです。増配率についてはPFEとJNJは6%程度で推移していますが、PFE徐々に減少傾向です。2社とも17年のEPSが大きく振れていますがこれは税制改革によるもののようですので気にする必要はないです。配当性向は平均でPFEが70%程度、JNJが60%程度なのでまだまだ増配余力が残っている状況です。

BMYは増配は続けているものの増配率は減少しており18年は2.5%にとどまっています。配当性向は年によって大きく振れており収益性の不安定さが要因と考えられます。ABBVは2013年にアボットラボラトリーズから分社したのでそれ以降のデータになります。増配率が非常に高く18年には脅威の40%の増配となっています。配当と増配率だけ見ると非常に魅力的なのですが、一方でBPSがマイナスとなっておりバランスシート上で債務超過となっています。少々気がかりですがキャッシュフローが強靭なので債務超過も大きな問題にはならないとは思います。

4.自己資本分析

 最後に自己資本について見ていきます。

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自己資本はB/Sの負債の部の純資産になります。負債の部はその企業がどうやってお金調達したかを見るもので自己資本(資本金・利益余剰金)と他人資本(借入負債)の構成を見ることができ、自己資本の比率が高いほど財務の健全性が高いと言えます。

PFE、JNJ、BMYは自己資本比率が30~40%と特段気になるところはありません。ABBVは自己資本比率が非常に低く、18年は自己資本がマイナスとなっており債務超過となっています。ここで発行済み株式数を確認したところ、株式数が大幅に減少していました。なのでABBVはお金を借りてきて自社株買いを進めていることで債務が増えているということが分かります。強力な収益力とキャッシュフローをバックボーンに自社株買いを推し進めて経営効率化を図っているということですね。(一安心)

【ABBVの発行済株式数推移】

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5.まとめ

 財務分析結果をまとめますと、PFEとJNJは安定感抜群で今後も安定した配当と増配を続けていくものと思われます。ABBVは分社化されてさほど時間がたっていないことで若干数字上は安定感を欠くものの自社株買いの推進など経営的な面は信頼できるものと考えますし、高い増配率を今後も続けてくれるのではないかと考えます。BMYについては15年までの収益率低下がここ数年で回復してきているので今後の増配率アップが期待できるかもしれません。

私はポートフォリオにABBVとJNJを持っていますが、PFEを近々加えようと考えています。ただ、今回比較した4銘柄は全てなんといってもシーゲル銘柄なので、私の浅い知識で分析するよりはシーゲル銘柄という称号を見る方が信頼できるかもしれませんね。笑

 

※上記分析内容はあくまで個人の見解になりますので、投資の判断はご本人でお願いします。

 

 

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