ノミの投資家奮闘記

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サラリーマン投資家の米国株長期運用記  

株価が下落する高配当銘柄をずっと買い増したらどうなる?

 

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 こんにちは!ノミの投資家です。

 今回は株価が下落し続ける高配当銘柄を継続的に買い増し続けるとどうなるか?について分析してみたいと思います。アルトリア(MO)やフィリップモリス(PM)などタバコ株は将来の市場縮小リスクで継続的に売られており株価下落になかなか歯止めがかからない状況ですね。ただ、配当が高く配当率につられて購入している人も多く、そんな人たちの中でも含み損を抱えて不安になっている人も多いのが事実かと思います。そのような株価下落銘柄を継続的に買い増していくとどうなるのかいろいろなパターンでシミュレーションしてみました。

目次

1.株価が下落、増配は継続のパターン

今回のシミュレーションの前提条件として、初期投資で3,000ドル・毎年追加入金1,000ドル・配当金は全額再投資で20年複利運用する条件としました。そして株価と1株配当金は現在のアルトリア(MO)をモデルとしています。

最初のシミュレーションは株価が毎年1%ずつ下落、且つ、増配率は+3%と増配を継続してくれた場合です。また、配当課税は現地課税の10%と国内課税の20.315%の両方がフルにかかってきた想定にします。

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 結論から言うと、株価下落+増配というのは非常に複利運用では効果が高く、20年の運用で資産は249%増加、受取配当金は6,700ドルに上りました。自己資金は22,000ドルの投入に対し、総資産が55,000ドルと33,000ドルもの資産増となりました。ただ、株価下落+増配により配当率が17%と異常に高くなっており、現実ではさすがにここまで配当率が上がることはないでしょうが、増配さえ続けてくれれば株価下落は全く怖くないことがこのシミュレーションで分かりますね。

2.株価が増配率と同じ成長率の場合

次は、配当率が異常値にならないように増配率に合わせて株価も成長した場合をシミュレーションしました。株価・増配率ともに+3%として分析しています。

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結論は、資産増加は38,000ドルの資産増とシミュレーション1と比べると若干少ないものの、それでもほぼ同レベルで資産が増えることになりました。一方、受取配当は約3,500ドルとシミュレーション1の6,700ドルの半分程度となりました。これは株価が成長することで買い増せる枚数が減ってしまったことが原因ですね。

3.株価が下落し続け、増配も止まってしまった場合

 シミュレーション1・2ともに増配を前提として見たのですが、たばこ株ホルダーの中には「いやいや、心配なのはその増配が止まったときでしょ」と考えている方も多いと思います。シミュレーション3は、その増配が止まり、且つ、株価も下落し続けた場合です。

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 結果は、資産増加はやはり株価下落が響き、約17,000ドルに留まりました。ただ、受取配当金については、私も意外でしたが、シミュレーション2よりも多く、約4,000ドルとなりました。株価が下落することで購入できる枚数が増えたのが要因ですが、受取配当を増やすためには株価下落が重要なポイントになるということですね。

4.株価、配当ともに下落した場合

 最後のシミュレーションは株価も配当もそろって下落していくというこれまでのパターンの中で最も厳しい条件にしました。株価は3%ずつ下落、増配率も5%ずつ減少するパターンです。

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 結論から言うと、めちゃくちゃ意外だったのは20年後の資産が20%も増えていることでした。1株配当金は3.4→1.3ドルと62%下落、株価も42→23.5ドルと44%下落する中で、資産は4,000ドル増えて119%の増加率となりました。株価と配当がダブルで下落していっても、ある程度の配当率が維持できてれば資産は減ることなく増え続けるんですね!でも、さすがに20年で資産が20%しか増えないのはパフォーマンス悪すぎるので、やはり減配というのは一番警戒しないといけない点ですね。(それでも金利0の銀行に預けるより資産増えますが、、、笑)

ちなみに、細かくシミュレーションして損益分岐点を見てみたところ、株価が3%ずつ下落した場合、配当の下落率が8%以内であれば資産が減少しないことが分かりました。配当の力は偉大ですね!

5.まとめ

 今回「株価が下落する高配当銘柄をずっと買い増したらどうなる?」という疑問を4パターンでシミュレーション分析してみましたが、結論からいうと全てのパターンで資産は増えました減配されるとさすがに痛手で資産増加は限定的になるのが分かったのですが、現実では減配されると同時に株価が暴落してくれるので配当率は比較的高水準で推移し、さらに購入枚数が増える分、複利を継続して回せばよほどの悲惨な状況にならない限りは大なり小なり資産を増やすことができるということが分かりました。ただ、連続増配を信じて買い続ける中で減配などの事態が起きても継続して買い増していくのは並大抵の精神力では難しいので、やはりリスクは分散しつつPFを作る方が無難と考えますね。この分析が皆さんの投資のお役に立てば何よりです!

 

 

上記分析はあくまで個人の見解になりますので、投資は自己判断でお願いします。